マウスのJ2セグメント数は蛋白質を作る働きとして存在しているのは6個のようです。5番目と6番目のセグメントの間にpseudogene segment(偽遺伝子)と呼ばれる配列があって、これは正常であったセグメントに突然変異でストップコドンが入ってしまったりして機能を失ったものです。TCR再構成の時には認識されるのでPCRにはかかってくる。従ってバンド数としては7本になる。例の九大の教科書は機能の話をしているので6個で正しいんですね。ただseudogene segment(偽遺伝子)の説明を省略しているだけです。
ではバンドの識別としてはどう表示するかというと、どうやら決まりが無くて、J2の1,2,3,4,5,6(=pseudogene segment),7と書く場合と、J2の1,2,3,4,5,pseudo,6と書く場合があって紛らわしい。
アルイミオウジ氏が最新で紹介している論文は以下です。
①The T cell receptor β enhancer promotes access and pairing of Dβ and Jβ gene segments during V(D)J recombination
*ttps://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC263837/
ここではJ2の1,2,3,4,5,6(=pseudogene segment),7という書き方ですからJ2.7が出てくるんです。
同じグループの研究のようですが我々が見つけた論文がある。
②Control of V(D)J Recombinational Accessibility of the Dβ1 Gene Segment at the TCRβ Locus by a Germline Promoter
*ttps://www.cell.com/immunity/fulltext/S1074-7613(00)80031-X
こちらではJ2の1,2,3,4,5,pseudo,6という書き方になっている。バンド数はあくまでも7個ですが、最後のセグメントナンバーはJ2.6になるんですね。紛らわしいですが、分かってしまえば大した問題ではないですね。そう思えばいいだけです。
問題はGLバンドの意味ですね。裏返すとGLとされているPCR産物のプライマーが何かということになるわけです。小保方さんは周知の如く、(Dβ2: 5′-GCACCTGTGGGGAAGAAACT-3′ and Jβ2.6: 5′-TGAGAGCTGTCTCCTACTATCGATT-3′)で挟みましたからね。GLはDβ2-Jβ2.6の間で一切の切り取りの無い配列ですね。つまり
D2-J2の123456(*GL)
の配列の断片産物ですね。ただし、このJ2.6の(5′-TGAGAGCTGTCTCCTACTATCGATT-3′)がpseudogene segmentのプライマーなのか、①の数え方ではJ2.7であるが②の数え方ではJ2.6であるセグメントのプライマーなのかはわかりません。常識的には後者ですけどね。
そこは誰も気づかなかったのかという我々の疑義に関係した問題です。
その問題と全く別にアルイミオウジ氏が誤読しているというか、よく読んでないことによるGLに関する誤解は別ですね。①②の論文ともにプライマーが複数使われていて、だから一番長い配列がGL になる。小保方さんはD2-J2.6で挟みましたからD2-J2.1という繋がりは何も切り取られていない配列でGLになるんですが、①②の論文はもう少し前ともう少し後ろで挟んでいる。だからGLバンドとD2-J2.1が別のバンドになっているんです。従って彼が以前どこかから持ってきたゲルの画像から類推して小保方さんの論文のリアレンジバンドを推定している図は間違いです。
- 2019/07/01(月) 18:54:08|
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アルイミオウジ氏がゲルの直線性の問題で道草食ってる間に、例の問題は解けたわ。
彼の紹介してくれた論文は以下ね。
①The T cell receptor β enhancer promotes access and pairing of Dβ and Jβ gene segments during V(D)J recombination
*ttps://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC263837/
この中に偽遺伝子セグメントの以下の説明がある。
>>
Each Jβ cluster includes six functional Jβ gene segments and one pseudogene segment.
そして、この論文ではpseudogeneをJ2.6相当としていて、ただし、バンドではそれを飛ばして最後がJ2.7としているわね。
- 2019/07/01(月) 19:04:19 |
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もうひとつ同じグループの論文を見つけたのが以下だわね。
②Control of V(D)J Recombinational Accessibility of the Dβ1 Gene Segment at the TCRβ Locus by a Germline Promoter
*ttps://www.cell.com/immunity/fulltext/S1074-7613(00)80031-X
こちらの論文では、マウスのJ1は1,2,3,4,5.6の6個、J2は1,2,3,4,5,pseu,6 の6個という数え方だわね。この論文ではpseudogeneは機能が無いので数えられていない。マウスが6個か7個がという問題は正しくは6個で九大の教科書はpseudogeneについて解説してないというだけで別に個数を間違ってるということにはならないわね。
- 2019/07/01(月) 19:05:43 |
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その問題だけに関して言うと、やはり論文のArticle Extended Data Figure 2-eはヒトの概念図だということになりそうだね。小保方さんはこの7個の中の(Dβ2: 5′-GCACCTGTGGGGAAGAAACT-3′ and Jβ2.6: 5′-TGAGAGCTGTCTCCTACTATCGATT-3′)で挟もうとした。この図がマウスの概念図だという認識であったとしたら、 Jβ2.6はpseudogene segmentだということになるよ。やはりこのことに誰も気づかなかったというのは事実臭いね。
- 2019/07/01(月) 19:06:59 |
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私たちの本当の問題はGLバンドの意味なのよね。上記両論文ともに、GLバンドがある。このバンドは一体何を意味しているのか。
- 2019/07/01(月) 19:08:08 |
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我々はこの分野ではど素人なんで、これは小保方さんが(Dβ2: 5′-GCACCTGTGGGGAAGAAACT-3′ and Jβ2.6: 5′-TGAGAGCTGTCTCCTACTATCGATT-3′)で挟んだ一番長いもの、つまり、我々の理解だと、その間にリアレンジメントの起きてない、すなわち、何も切り取られていない、生殖細胞から受け継いだままのDNAの並びだと理解している。
- 2019/07/01(月) 19:09:29 |
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そうね。我々の泥縄の知識だと、まずGLの直線の途中にループが出来て、その交点が結合してループが切り離される。これがリコンビネーションの仕組みだと理解しているね。
- 2019/07/01(月) 19:10:44 |
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それだけの理解だと、我々のバンドの出方に関する論理的組み合わせは最初の方がどちらかと言えば正しかったかな。
>>
01.D1-J1の123456-D2-J2の1234567(*GL)
02.D1-J1の23456-D2-J2の1234567(*GL)
03.D1-J1の3456-D2-J2の1234567(*GL)
04.D1-J1の456-D2-J2の1234567(*GL)
05.D1-J1の56-D2-J2の1234567(*GL)
06.D1-J1の6-D2-J2の1234567(*GL)
07.D1-J2の1234567
08.D1-J2の234567
09.D1-J2の34567
10.D1-J2の4567
11.D1-J2の567
12.D1-J2の67
13.D1-J2の7
14.D1-J1の123456-D2-J2の234567(*リアレンジバンド)
15.D1-J1の123456-D2-J2の34567(*リアレンジバンド)
16.D1-J1の123456-D2-J2の4567(*リアレンジバンド)
17.D1-J1の123456-D2-J2の567(*リアレンジバンド)
18.D1-J1の123456-D2-J2の67(*リアレンジバンド)
19.D1-J1の123456-D2-J2の7
だだしこの場合はJ2の6はpseudogeneなので機能的には12,13は同じで、18,19も同じだね。
- 2019/07/01(月) 19:21:16 |
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小保方さんは(Dβ2: 5′-GCACCTGTGGGGAAGAAACT-3′ and Jβ2.6: 5′-TGAGAGCTGTCTCCTACTATCGATT-3′)で挟んだのよね。①の論文でJ2.7があるのは数え方の問題だけだから理解上はいいわよね。ここに二つの疑義が生じるのね。
(A)Jβ2.6: 5′-TGAGAGCTGTCTCCTACTATCGATT-3′はpseudogene segmentのプライマーなのか、それを除いたJβ2.6のプライマーなのか。微妙なところね。
(B)小保方さんのプライマーで挟まれたPCR産物のGLは何を意味しているのか。
- 2019/07/01(月) 19:23:17 |
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(A)の問題は小保方さんは偽遺伝子のところで挟むなんて意図はないよね。偽遺伝子の存在を知らないと思うよ。知ってたらそこでは挟まない。このマウスのJ2のセグメント数を6個だと知っている人が小保方さんにプライマーを教えたはずだよ。もし小保方さんが最初からマウスは7個だと思っていたら、J2.7で挟むでしょう。小保方さんは他人にプライマーを教えられていて、教えた人は正しいJ2遺伝子の最末端である6番目のプライマーを教えているよ。だからJβ2.6: 5′-TGAGAGCTGTCTCCTACTATCGATT-3′はpseudogene segmentではない。小保方さんが概念図を持ってきたときにヒトのと混同して貼り付けているんだ。そしてだれもそれに気づかなかった。
- 2019/07/01(月) 19:24:43 |
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おそらくはそうだろうね。何かの勘違いなんだよな。小保方さんが分かっていたか知らなかったか迄は明言できないけど、概念図を貼り間違えたのは確かで、(Dβ2: 5′-GCACCTGTGGGGAAGAAACT-3′ and Jβ2.6: 5′-TGAGAGCTGTCTCCTACTATCGATT-3′)で挟んだと論文本文に書いている以上、7があると変たということに気づかなかっただけだよな。
- 2019/07/01(月) 19:25:45 |
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さあ、肝心のGLだわね。私たちの疑問はGel1,2の実験でどれがリアレンジバンドかということよね。はっきり言って細かい専門的なことはどうでもいいんで、あそこにはリアレンジバンドがあるのかという答えだけ教えてくれたらいいんだけどね。
- 2019/07/01(月) 19:26:44 |
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そうなのよね。例えば2Nキメラのリアレンジバンドは本物なのかということだけ分かればいいのよね。その場合2Nキメラは太田ES等なんかで作られてはいないぞという桂報告結論の完璧な否定になるのよね。
- 2019/07/01(月) 19:27:31 |
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それをちゃんと解説してくれる人がいないから自分たちだけで悪戦苦闘しなければならなくなるんだよな。結局、専門的なことまで勉強せざるを得なくなる。ほんと無駄な努力だよ。例えば学さんがGLはこうと教えてくれたら終わる話なんだよなあ。
- 2019/07/01(月) 19:28:17 |
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今までの私たちの経験ではそれほどの人たちは少ないわよね。仮に専門家がいてもスピン屋さんだと本質的でないことをどんどん持ち込んでややこしくして紛らわしい嘘にしていくだけね。
- 2019/07/01(月) 19:29:03 |
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我々の素人理解はSTAP論文に関しては守備一貫しているんだけど、①②の論文では我々の理解とは違って一つのゲルの中にGLが別に存在しているんだよね。
- 2019/07/01(月) 19:29:48 |
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そこだよ。①②論文で使われているGLバンドを切り取ってきたプライマーはどういうものかということだね。
- 2019/07/01(月) 19:30:51 |
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②の論文のFigure 3-Dが分かりやすいね。このプライマーは注に(5-7)とあるようにA図の番号でD2とJ2.6の少し下流の場所なんだよ。GLはだからD2-J2.6より少し長い。
1.GL
2.Jβ2.1
3.Jβ2.2
4.Jβ2.3
5.Jβ2.4
6.Jβ2.5
7.Jβ2.Pseo
8.Jβ2.6
- 2019/07/01(月) 19:31:53 |
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Figure 3-B,Cは注をよく確認すると2セットのプライマーで挟んでいるんだね。小保方さんの挟み方とはまるで違うね。小保方さんのGLはD2-J2.6で挟まれた中の一番長いものなんだよな。
- 2019/07/01(月) 19:33:31 |
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やっと解決したわね。
- 2019/07/01(月) 19:34:10 |
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GLの問題は別にして②の論文のFigure 3-Dのバンドの並びはとても参考になるね。
- 2019/07/01(月) 19:35:05 |
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以下の並びの2が小保方さんの図ではGLバンドだね。そしてその下はほぼ均等に3-7までラダーが出ていて、8だけがかなり離れているんだね。
>>
1.GL
2.Jβ2.1
3.Jβ2.2
4.Jβ2.3
5.Jβ2.4
6.Jβ2.5
7.Jβ2.Pseo
8.Jβ2.6
- 2019/07/01(月) 19:36:06 |
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- 2019/07/01(月) 19:38:12 |
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