胎盤の問題からしばらく離れていますが、TCRの問題は重大ですね。ゲルが嘘ならまず第一に小保方さんが疑われるのだし、ゲルが本当に2NキメラのものだったらT細胞からキメラが作られていた証拠になる。裏返すと太田ESなどでは作られていないという絶対的な証拠になる。桂調査結果とそれを誘導した若山さんの嘘が暴露されることになる。さて、どちらになるのでしょうかね。
我々はテラトーマを捏造するのであればGOFマウスをドナーにしている移植時にF1のキメラを作らせるときに使用したとされているどこにあったかもしれないような太田ESを使うより学生からもらっているGOF-ESを使うに決まっているということが分かっている。つまりテラトーマからアクロシンが出たのは小保方さんの関与しないところだと知っている。従って、このTCRの件も同様に小保方さんが何かしたなどということはないのだと知っている。ここが学氏と我々との違いで、彼女は搦め手の情報を何も分析できていないんですね。
さて、登場人物たちの対話はどこに我々を運んでいくのでしょうかね。
ロゴスの導くがままに。
- 2019/06/13(木) 07:03:56|
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学さんに教えてもらおうと思ったらあっけなくお別れだそうです。このブログの場所まで知らせていたのにがっかりですね。
でも、登場人物たちの考察は進みます。どうなることやら。ゲル2の2NキメラのTCR再構成が本物であったら若山さんと桂報告書はアウトです。あれが偽物であったら、誰があんな捏造を行ったのか。学さんはラベルの貼り間違いだなんておっしゃってるが、どうなんでしょうかね。小保方さん犯人を限りなく示唆している。あちら側と結託したスピン屋さんだと誰でも疑義しますよね。あれだけ悪口言われているのに無視もしない。いつも逆に呼び込んでいる。ははは。
- 2019/06/10(月) 13:04:52|
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一応のお勉強を済ませたところで、吉村コメントの検討ですね。さてさて、どういうことになるのでしょうかね。
- 2019/06/10(月) 09:41:02|
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[Fig1d]
>>学さん
>アーティクル論文Fig1dで示されるように、5日目からSTAP細胞の6割位がGFP陽性細胞で、構成されます。こういう論文図表は逃さないでしっかり見て欲しいです。
あなたは再構成を起こしている白血球はDNAが不完全だからキメラの中で生き残らないのではないかとおっしゃった。ですからそうでない細胞はどういう細胞かということを問題にして、そういう細胞が7日目にたくさん残っていることは考えにくいと申し上げています。つまり最初に入っていた割合でそのまま酸浴後生き残りますねと申し上げている。アーティクル論文Fig1dでたくさんOct4-GFPを発現している大半はT細胞やB細胞でしょ。そうでない細胞は少ないですねと申し上げています。学仮説の話はまずそこから始まるんでしょ。確認をお願いします。以上です。
[蛍光しているのはリンパ球ではない?1 ]
>>学さん
>今ある細胞が生き残るかどうかです。
あなたはキメラの中で取捨選択が行われるのみではなくて7日間のSTAP変換途中でもT細胞やB細胞はサヴァイヴァルできなくて消滅もしくは減少してしまうとおっしゃってるんですか? 論文のSTAP細胞は別に白血球でなくてもどんな細胞からでもできるとされている。あなたのおっしゃっている③はT細胞やB細胞ではないという意味でその中の一つになるんですが、これらの細胞群はTCR再構成はありませんから小保方さんのプライマーで挟むとGLがでるだけです。つまり③の主張は同時に①を主張することになりますね。そのことをご確認なさってください。私は学さんと違ってとても頭が悪いもんですから、論理の階段は一段づつしか登れないんです。よろしくお願いします。以上です。
>>
①この2Nキメラとされているゲル2写真は偽物である
②本物であるが白血球を除去し忘れている
③本物であるが、FACSで選別しきれなかったT細胞以外の脾臓構成細胞のSTAP由来キメラである
[CD45の1]
>>学さん
>そのような事は言ってません。T細胞(CD45+CD3+)をあつめてSTAPにしたら、TCRがでましたよね。7日間に、どの臓器由来細胞も凝集して生き残れると思いますよ。
何がキメラになったかに関しての学仮説に対する私の理解に修正を入れて以下でいいわけですね。
>>
③本物であるが、FACSでCD45+選別されたものの中のT細胞やB細胞以外の細胞や、CD45+選別しきれずに混入した脾臓構成細胞やのいずれかのSTAP由来キメラである
確認をお願いします。
[CD45の2]
次に、石井調査資料の事実確認です。CD45は白血球の、CD3、CD90(Thy-1)はT細胞の分化抗原ですね。
まずGel1です。
①DNA ladder
②ES Cell
③Fibroblast
④CD45+ cells
⑤Sorted-Oct4+ 1
⑥Sorted-Oct4+ 2
⑦Sorted-Oct4+ 3
⑧Sorted-Oct4+ 4
⑨Sorted-Oct4+ 5
⑩Sorted-Oct4+ 6
⑪STAP cluster 1
⑫STAP cluster 2
⑬STAP cluster 3
⑭STAP cluster 4
[CD45の3]
次はGel2です。
⑮DNA ladder
⑯CD45+/CD3+ 1(100ng)
⑰CD45+/CD3+ 1'(50ng)
⑱CD45+/CD3+ 2(100ng)
⑲CD45+/CD3+ 2 (50ng)
⑳CD45+ 1
㉑CD45+ 2
㉒CD45+/CD90+
㉓CD45+/CD90+
㉔CD90 STAP1(Sorted-Oct4/<後ろ不明>
㉕CD90 STAP1(Sorted-Oct4/<後ろ不明>
㉖CD90 STAP1(Sorted-Oct4/<後ろ不明>
㉗2N chimera 1(CD45 STAP)
㉘2N chimera 2(CD45 STAP)
㉙2N chimera 3(CD45 STAP)
[CD45の4]
私は学さんのお陰でこの歳になって『喜ばしき知識』以外の何物でもない免疫学の入門教科書に(本体3,200円+税)なる浪費をさせらましたが、先生にはその責任を取られてせめて私が”喜ばしい”状態になるまではご指導願いたいものだと念じております。別に急いではおりません。
まず最初にラダーの数に関してです。小保方さんのプライマーで挟まれるDJリコンビネーションの組み合わせ数はGLを入れて15でいいですね。つまり小保方検査で現れて来うるラダーはあり得る場所を全部数えると15以上ではないと。
ここまでのところを確認いただきたい。たくさんのことを同時にご説明なさっていますが、いずれ先生のコメントは全部拾い出して検討することになります。うち捨てているわけではありません。順番に理解していけば私のような愚鈍な頭でも何れ正解に至ると信じておりますので、よろしくお願いいたします。以上です。
> 一言居士さん
いろいろご勉学なさってますね。
頑張ってくださいね。
細かい細胞種に関するやりとりは誤解を生じ易いので、ここではやりません。学とみ子の日本語能力にも問題あります。但し、学とみ子も易しい話であれば、他の方並みには文章を作れます。今は、ごめんなさい。
ため息陣営が一時も逃さずチェックして、ミスを誘います。彼らはミスでなくともミス呼ばわりです。そうした中で、難しい領域の議論に入ると、彼らの破壊作戦の餌食です。
一言居士さんは、ES混入説ではSTAP細胞を説明できないことを理解できているのだから、後はゆっくり進んでください。小保方氏から何らかアクションが出たら、又、共闘しましょう。
2019/6/10(月) 午前 11:47返信する
というわけで、議論は終わりましたが、私の感触ではあちら側とグルだと思います。
- 2019/06/10(月) 09:31:42|
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[FACS1]
>>学さん
ゲル2と特許図にキメラマウス尾部細胞らしきもののTCR再構成のPCR検査結果がある。あなたのご判断は以下です。
>>
(2)TCR痕跡があれば、STAP細胞は元のCD45からつくられたと言える
従って、写真が偽物であるか、検体に白血球が混じったりしていない限り、キメラ体細胞がT細胞由来であることは証明されたように見える。でも、あなたは小保方さんのこのPCR結果はそれ以外の由来細胞の存在を排除できてないとおっしゃる。
[FACS2]
例えばライブセルイメージングでは蛍光細胞が移動していてマクロファージが選別の際に検体の中に残っているのは明確です。おそらくこの時はCD45+のみでFACS選別したんでしょうね。でもゲル2において小保方さんはCD45+とCD3+でT細胞を選別している。TCR再構成を調べるということになって、できるだけT細胞のみを選別しようとしたわけです。そして、酸浴して蛍光しているSTAP細胞にはTCR再構成があった。論文の論旨的には、ここで証明されたことはOct4-GFPが発現していない体細胞であるT細胞が酸浴刺激によってOct4-GFPを発現し、光ったということです。光ったのは他のどんな幹細胞でもなく系譜決定されていたT細胞がリプログラムされたからなんだよと主張した。TCR再構成のPCR検査自体は検体がT細胞のみである限り酸浴前でも酸浴後でもラダーの出るのが当たり前ですね。
[FACS3]
そして、いよいよ若山さんが小保方さんの作ったこのときのT細胞由来STAP細胞をキメラ胚に移植して、2Nキメラを作った。そしてこのキメラマウスの、明確には書かれていないが、尾部であろう体細胞組織のDNAをPCRにかけて、小保方さんが論文に書いているプライマーで挟んだらラダーが出たということです。従って上述しているようにこの結果が本物なら、このキメラはES細胞由来ではないと証明されたことになる。つまり桂報告はでたらめだということです。どこにあったかも分からないような太田ESなんかは使われていないということです。
[FACS4]
従って、以後は、以下の二つを検討していけばいいわけです。私は今ジムさんのブログでそちらの方向に進んでいる。
①この2Nキメラとされているゲル2写真は偽物である
②本物であるが白血球を除去し忘れている
[FACS5]
ところが"ある派"のあなたはもう一つの可能性を主張なさっている。つまり、
③本物であるが、FACSで選別しきれなかったT細胞以外の脾臓構成細胞のSTAP由来キメラである
その根拠は不完全なDNAを持つ細胞は胚の中で排除されるというものですね。脾臓構成細胞の中でT細胞以外で一番多いのはB細胞ですが、無論あなたの説ではこれもありませんね。マクロファージを仄めかしておられましたかね。
[FACS6]
酸浴下では細胞は生き残るのが精いっぱいの努力で無論増殖は出来ませんが、FACS選別でわずかに含まれていたリンパ球以外のTCR、もしくはBCR再構成の無い白血球もしくは他の脾臓構成細胞が生き残って、しかも、酸浴でOct4-GFPを発現している細胞が7日目にたくさん残っているということはちょっと考えにくいので、最初に含まれていた割合で少量残る。それを若山さんが20個程度の塊で、100個程度のキメラ胚に入れたわけです。これは由来はともかくとしてキメラ自体は他のケースでたくさんできています。Article Extended Data Figure 7-6で、264個のキメラ胚に対して64個体のキメラを得ています。24%の達成率です。FACS選別ですり抜けた細胞の量を全体の1%とすると酸浴して残るのもそのままの含有率でとみなせる。20個づつ入れるとして5280個の細胞の中の1%というのは52個です。これが均等にばらまかれてすべてキメラになったと仮定するとほぼそういう結果になりますね。ESでも半分くらいしかできないと仮定しても含有率を2%と条件を少し変えるだけで可能になりますね。
[FACS7]
①この2Nキメラとされているゲル2写真は偽物である
②本物であるが白血球を除去し忘れている
③本物であるが、FACSで選別しきれなかったT細胞以外の脾臓構成細胞のSTAP由来キメラである
こういう理解で、この3つを検討すればよろしいですか? 以上です。
- 2019/06/09(日) 09:12:05|
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お勉強の成果が出て、やっと小保方さんの無実がはっきりしました。
ではホームズ氏に説明してもらいましょう。
- 2019/06/07(金) 15:42:32|
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一言居士さん、コメント消しませんでしたか?
探しても無いのですが・・・。
2019/6/5(水) 午後 10:10
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[何でございましょうか1]
>>学さん
>一言居士さん、コメント消しませんでしたか?探しても無いのですが・・・。
私は今ジムさんのところに原稿送っていますので、ここには書き込んでいませんよ。過去の投稿コメントはあなたしか消せないと思いますが、どういう意味なのかよく分かりません。ただ単にお呼びになったということなんですかね。
[何でございましょうか2]
今の私の理解はD2を跨ぐ切り取りがあり得るのかということと、やっと相同染色体の両方で別々のDJリコンビネーションが起きるのかなと気づいたところで、その確認までは行ってませんが、吉村氏の説明と自分の理解が一応一致したばかりです。以下ですね。
>>
①GLの1バンド(両方ともGL)
②GLの1バンド(片方がGLで、他方は検出不能)
③組み換えの1バンド(片方が組み換え、他方が検出不能)
④GLと組み換えの2バンド(片方がGLで、他方が組み換え)
⑤組み換えだけの2バンド(両方が同じ組み換えはあり得ないので別の組み換え)
⑥検出無し(両方が検出不能)
[何でございましょうか3]
私にとってはntES仮説の否定に結末するかもしれない大事なところなのでゆっくに確認しています。今問題になっている2-gの2レーンのLimphocyteと3レーンのTcell STAP #1の酷似はあなたと同様の解釈をしていましたが、そもそもGLラインとリアレンジメント領域が近くてゲル1,2とは違う実験ですね。ただし、マテメソに(Dβ2: 5′-GCACCTGTGGGGAAGAAACT-3′ and Jβ2.6: 5′-TGAGAGCTGTCTCCTACTATCGATT-3′)で挟んだとあるのでプライマーは同じだと思っています。特許図はいよいよ別の実験でプライマーも同じかどうかわかりませんね。
今、Limphocyteと3レーンのTcell STAP #1の酷似は一つの試料を3等分して一つはPCR、二つは酸浴させて、#1と#2になったと考えるのはおかしいと気付いているところです。
[何でございましょうか4]
先に#2ですが、これは酸浴させて後に①②③④⑤のどれもOct4-GFPを発現しなかったということですね。ここには丹羽さんのGFPの漏れ出し現象や、GFP蛋白のみの残存(マクロファージの体内)もしくは最悪だと目視で蛍光している細胞だけ選択すると自家蛍光も混在し得ると思いますが、基本FACS( fluorescence-activated cell sorting=flow cytometers)選別ですから自家蛍光は無いと思いますね。あのねさんがGFP選別だとおっしゃってるが、私はそれだけでなく分子レヴェルでも光学選別できると聞きかじっているので、蛋白質の選別もできると思ってましたけどね。CD45+で選別するのはそれですよね。だからあるとしたら前者二つですね。
#1の場合は、GLに並んでいた細胞がOct4-GFPもしくはOct4蛋白選別で外れたと考えればいいとみていたわけです。
[何でございましょうか5]
でも根本に戻って、最初にひとつの試料を3等分した時の、三分の一の試料である2-gの2レーンのLimphocyteの中はほぼ7つのバンドが出ているわけです。元の試料の中には別々の再構成を起こしている無数の細胞が存在していて、小保方さんのDβ2:とJβ2.6で挟んだ部位のみに再構成を起こしている断片が4から8個あったということです。そして残りの三分の二を二等分したものにもそれぞれ、別々の再構成を起こしている無数の細胞が存在しているが、2-gの2レーンのLimphocyteの中で捕まった7バンドにでた再構成細胞と同じものは存在していませんから、Tcell STAP #1に同じレーンは出ませんね。そもそも小保方さんのプライマーで挟んだ狭い領域で存在し得る再構成の組み合わせは15通りとGLの再構成無しの断片を入れて16通りですが、最初に2-gの2レーンのLimphocyteの中で7つのバンドで捕まえたものは別の三分の二の中にはあり得ません。
[何でございましょうか6]
すると、これは同じものを3等分したのではないということになる。しかも別の実験だとしても、そもそも何兆という種類の再構成のあるTCR再構成で同じものは一つもありませんから、この実験の写真を撮ったのは誰かということが大問題になるわけです。私はど素人なんで考え落ちが無いかどうか慎重に確認しながら考えているんです。先生と違って、私には搦め手からの証拠もあるのでここだけの話しで、すべてを簡単にぺしゃんこにしてしまうことはできないんです。事件に関するいわば土器の破片はほぼすべて噛み合ってるんです。私にとっては今ここだけ噛み合わないという大問題が起きているんです。ここを嚙合わせると他の噛み合いに影響してきます。全体の修正も必要になってくるんです、慎重足らざるを得ないんです。以上です。
[どうしてでしょうか?1]
先生、[何でございましょうか1]と[何でございましょうか6]がアップされていませんが? そのために、1から始まり、以上で終わる形にしております。以上です。2019/6/6 10:29
- 2019/06/06(木) 09:02:02|
- 学さんブログ検討記録
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シャーロック・ホームズ氏が教科書を買ってきてお勉強をするとおっしゃってますが、何とか正解に近づけるのでしょうかね。心もとない。
- 2019/06/06(木) 06:37:28|
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さてさて、いよいよ査読流出の件以来我々の理解ではスピン屋さんであるはずの吉村教授のコメント理解へのチャレンジですね。登場人物たちはいったい何時になったら完全理解に達するのか。見ものです。
- 2019/06/04(火) 22:20:21|
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思いがけず重大局面にきてしまいましたね。TCRで決着がつくとは思ってなかった。ゲル写真が2Nキメラのものでなかったらこれは小保方さん、もしくはそれを手伝った人の捏造だということになってしまいます。2Nキメラだとしたら若山さんが犯人だと決定です。T細胞でキメラが作られている。若山さんは太田ESを渡されたと主張している。T細胞の由来のキメラがあるというだけで若山さんの主張は破綻します。
あの特許と石井調査時の二つのゲル図にあるキメラマウスの体細胞のTCR結果は桂報告書にとっては捏造でなければ困る。
登場したのは吉村さんでした。彼のコメントを貼っておきましょう。ただし、これは論文のSTAP細胞のTCR結果に対するもので、特許と石川調査のゲルに関して言ってるのではないが、原理に関して語っているところは後者にも通じることですね。
"吉村 より:
2014年3月21日 00:57
たまたまこちらの議論を見かけました。この状況でもSTAPとTCRについて科学的な議論をされているので大変感激しました。多くの疑問は""最後にもう一度TCR” http://new.immunoreg.jp/modules/pico_boyaki/index.php?content_id=350 をお読みいただければご理解いただけるのではないかと思います。発生学者はCD45陽性の分化した細胞からでもOct4陽性の細胞ができたのだから『未分化細胞からでも万能細胞が出来た』と割と気楽にポジテイブに結論ずけようとします。つまりよい面を評価して伸ばそうという姿勢でそれはそれで評価できます。しかし論理性の強い免疫学者は『仮説以外のあらゆる可能性を排除しなければ仮説は正しいと認めない』という堅苦しい人が多いのです。もしSTAP幹細胞やキメラでTCR再構成がひとつでもあればそれはもう逆らえない証明なので『未分化T細胞から万能細胞が出来た』と肯定せざるを得ません。しかし今回のようにSTAP細胞と呼んでいる細胞のかたまりにしかTCR再構成が見つからない場合(幹細胞やキメラには見られない)、現在の知識で一番合理的に説明可能な『ESの混入』あるいは『未同定の組織幹細胞』の可能性を排除しない理由は考えられません。それらの混入の可能性を実験的に排除するためにTCRを持ち出したのに結局それに答えていないのでさらに疑惑が深まるという構図になっています。CD45陽性分画からスタートしたのだから組織幹細胞は入らないというのは幻想で、FACSの純度は不明ですし、未知の幹細胞はCD45陽性かもしれません。
"
"もとさんの『一つの細胞から分化した細胞ならTCR再構成で見えるバンドは1つ(または2つ?)のはずなので、こんなにいっぱいバンドが見えるのが何故かは私にはさっぱり判りません。』は完全に正しい推論です。胚盤胞に入れられる細胞はせいぜい20個でそのうちマウス組織になるのは数個なので、この方法で見れるバンドはせいぜい1本です。この2Nキメラの解析結果が不自然であることを理研の先生たちは理解しているからこの図をもって『キメラにTCR再構成がある』と言わないのだろうと思います。
こんな形而上学的な議論は実はたいした意味がなく、純化したT細胞から作ったSTAP細胞でキメラを作製するとか、4Nキメラで解析するとか、キメラの子孫でTCRの解析をするとか、不確実性を可能な限り排除した感度の高い方法で実験すれば何の問題もないはずです。現在丹羽先生が再現実験をされているそうなので次回ぜひこのような疑問点を解消していただければと思います。
ただ今回の議論で免疫学者は『もっぱらアラさがしをしてポジティブな面を評価しようとしない』傾向があることに自分でも気がつきました。厳密な論理性を要求する学問であるからか、免疫はなかなかとっつきにくく若い人に敬遠される理由がはからずもわかったような気がします。
なおTCRが単一の4Nキメラマウスでは免疫不全になるかもしれませんが、通常の動物実験室の環境でしたら生存できます。TCRトランスジェニックマウスと似たようなものです。"
吉村 より:
2014年3月22日 20:48
とも様
私も粗忽者で間違いが多く、とてもとても尊敬されるような立派な学者ではありません。仲間にはザルと言われています。ただ一応免疫学の専門家ですので学生や一般のかたに興味を持っていただけるチャンスと考えて解説をしているだけです。
ともさんの疑問についてですが、VDJ組み換えではDJが先行して起こりますので両方の染色体でDJ組み換えが起きます。
次にVDの組み換えが起きますが、対立遺伝子排除の機構は主にこの時期に働きます。つまりまずD1J1, D1J2, D2J2の組み換えのいずれか、あるいはD1J1とD2J2の両方の組み換えが両アレルで先に起こって、それからどちらかのアレルのVがDJとくっつく。ここで機能的なTCRβができればもう片方のVD組み替えは起こりません。これが対立遺伝子排除といわれる現象です。もし機能的なTCRβが出来なかった場合はもう片方の染色体でVDの組み換えが起きます。
ですので理論的な組み合わせは相当数ありますが、実験的にはD2J2のプライマーで検出されるGLをもつT細胞は10%程度ではないかと言われています。もし1個のT細胞がマウスになったとすると、可能性としてはGLもしくは組み換えの1本のみ、GLと組み換えの2本、組み換えの2本、あるいは全く検出できない、となります。よってバンドが見えるとすれば1つか2つでともさんの考えは正しいと思います。それぞれの可能性の確率がどれくらいなのかは原著をあたらないとちょっとわからないのですが、明らかにこの方法ではTCR再構成が起こっても全く検出できない不確実性がついてまわります。もしTCR再構成をT細胞由来の染色体のマーカーとして使うのであれば、さらに確実な方法で確認したほうがよいと思います。例えば汎用型のVDJでのPCRプライマーで検出する方法、サザンブロッテイングを行う方法、あるいはwholeゲノムシークエンスシングを行う方法、TCRβレパトア特異的抗体によってFACSで解析する方法などいくつか考えられます。いづれにしましても出発細胞を純化したT細胞やB細胞にすることでCD45+よりも検出感度が格段に上がるはずですのでぜひ再試験ではそうしていただければより確実だと思います。
- 2019/06/04(火) 13:48:39|
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