胎盤の結論を出す前に根本に戻りましたね。まず桂報告書は、どんなカモフラージュがあろうと、実質的に「小保方さんが既存ES細胞で捏造した」と主張していることになるという証明は終わりました。次は桂報告書の既存ESによる捏造だという証明が正しく立証されているかという問題に移りますよね。そしてそれがちゃんと立証されていないときは可能性の枠は広げられないといけないですね。
①既存ESコンタミである。(小保方さんが犯人)
②論文通りの作られ方をしている。(何らかの理由で若山さんが本物を隠したことになる。この場合はヴァカンティ研から訴訟を起こされるリスクがある。ただし、再現検証実験では論文通りの再現は出来ず、キメラは作られなかった。)
③別のつくられかたをしている。(この場合も若山さんが事件の犯人だということになる。我々の知識ではntES化によるキメラとしか推測できないが、共培養等の別の手段もあるのかもしれないが、分からない。)
そして、今ntES仮説で諸実験結果が矛盾なく説明し得るかという検証の大詰めの胎盤蛍光問題の途中で、確認のために①の否定理由を集成しておこうということになった。これはこのブログの"桂報告書疑義"をも整理し直す作業になるでしょう。
ティシュー論文から始まるのでしょうね。楽しみだ。登場人物さんたち頼みます。
- 2019/05/27(月) 12:09:57|
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さて、次は桂報告書の証拠吟味ですね。ここで一応今後の参考のために小保方さんの纏まった抗弁を書き出しておきましょうかね。"スペルム"は日本語に置き換えて読んでください。ここでは禁止ワードになっていますので書けません。
手記209Pからの小保方さんによるアリバイ自己検証
第二次調査委員会によって、STAP細胞から作製されたはずの「成功したキメラ」は既存のES細胞から作製されたものであったと報告された。すでにくわしく書いたように、STAP細胞からのキメラ実験は、若山先生が作製方法をSTAP細胞塊をバラバラにして注入する方法から、マイクロナイフで切って入れる方法に切り替えた時に初めて成功している。もし私がES細胞を渡していたのなら、細胞塊をバラバラにして、キメラマウスを作製していた当初からキメラマウスの作製に成功していたはずである。そうではなく、実験方法を切り替えた時にES細胞を渡していたとするなら、連日行われていたキメラマウス作製実験において、若山先生が実験方法を変えるタイミングを予期し、そのタイミングに合わせてES細胞を若山研の誰にも知られずに準備し、ES細胞研究の第一人者である若山先生にばれずに渡すことが、果たして可能であっただろうか。
また、若山先生がSTAP細胞から樹立したというSTAP幹細胞も、以前に若山研で作製された既存のES細胞であったと報告された。STAP細胞は増殖性が低く、それがSTAP細胞の特徴の一つであり、若山先生も熟知されていたはずである。もし私がES細胞をSTAP細胞だと偽って渡していたのなら、もともと増殖している細胞が渡されていたことになり、若山先生が観察した、増殖能の低いSTAP細胞からの無限増殖する幹細胞への変化は起こるはずがなく、気がつかなかったはずはないのではないだろうか。さらに若山先生はキメラ実験・STAP幹細胞樹立実験を行っていた当時、129 x B6 F1のES細胞は若山研に存在していなかったと多くのメディアにご発言されている。
そして、これらの実験に使われていたES細胞は若山研で飼育されていたアクロシンGFPマウスという特殊なマウスから作製されたものであったことも調査結果として発表された。アクロシンGFPマウスは、通常のGFPマウスでは観察されない「光るスペルム」を持っているという特徴があるそうだ。STAP幹細胞からできたキメラマウスのジャームライントランスミッションの実験の際、「光るスペルム」を自身で採取し実験を行っていたにもかかわらず、若山先生は「STA幹細胞は自分の研究室にはいなかったマウスからできた細胞だった」と6月の記者会見で発表し、まるで私がマウスや細胞をすり替えられたかのような推論を社会に植え付けた。
6月の終わりの検証実験参加の打ち合わせの帰り道に、STAP幹細胞が間違いなく若山研にいたマウスに由来しており、そのマウスがアクロシンGFPキメラであることがわかったと私は連絡を受けた。連絡をくださった方に「アクロシンGFPマウスはどんなマウスなんですか?」と伺うと、「スペルムがGFPで光るという性質を持っている」と教えてくれた。私は若山先生が光るスペメムを顕微授精する実験を行っていたことを思い出し、その時の実験の写真も残っていることも思い出した。「若山先生は光るスペルムで実験をしていました」と告げると、「確信犯」と言葉が返ってきた。
- 2019/05/28(火) 14:02:02|
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思いがけず重大局面にきてしまいましたね。TCRで決着がつくとは思ってなかった。ゲル写真が2Nキメラのものでなかったらこれは小保方さん、もしくはそれを手伝った人の捏造だということになってしまいます。2Nキメラだとしたら若山さんが犯人だと決定です。T細胞でキメラが作られている。若山さんは太田ESを渡されたと主張している。T細胞の由来のキメラがあるというだけで若山さんの主張は破綻します。
あの特許と石井調査時の二つのゲル図にあるキメラマウスの体細胞のTCR結果は桂報告書にとっては捏造でなければ困る。
登場したのは吉村さんでした。彼のコメントを貼っておきましょう。ただし、これは論文のSTAP細胞のTCR結果に対するもので、特許と石川調査のゲルに関して言ってるのではないが、原理に関して語っているところは後者にも通じることですね。
"吉村 より:
2014年3月21日 00:57
たまたまこちらの議論を見かけました。この状況でもSTAPとTCRについて科学的な議論をされているので大変感激しました。多くの疑問は""最後にもう一度TCR” http://new.immunoreg.jp/modules/pico_boyaki/index.php?content_id=350 をお読みいただければご理解いただけるのではないかと思います。発生学者はCD45陽性の分化した細胞からでもOct4陽性の細胞ができたのだから『未分化細胞からでも万能細胞が出来た』と割と気楽にポジテイブに結論ずけようとします。つまりよい面を評価して伸ばそうという姿勢でそれはそれで評価できます。しかし論理性の強い免疫学者は『仮説以外のあらゆる可能性を排除しなければ仮説は正しいと認めない』という堅苦しい人が多いのです。もしSTAP幹細胞やキメラでTCR再構成がひとつでもあればそれはもう逆らえない証明なので『未分化T細胞から万能細胞が出来た』と肯定せざるを得ません。しかし今回のようにSTAP細胞と呼んでいる細胞のかたまりにしかTCR再構成が見つからない場合(幹細胞やキメラには見られない)、現在の知識で一番合理的に説明可能な『ESの混入』あるいは『未同定の組織幹細胞』の可能性を排除しない理由は考えられません。それらの混入の可能性を実験的に排除するためにTCRを持ち出したのに結局それに答えていないのでさらに疑惑が深まるという構図になっています。CD45陽性分画からスタートしたのだから組織幹細胞は入らないというのは幻想で、FACSの純度は不明ですし、未知の幹細胞はCD45陽性かもしれません。
"
"もとさんの『一つの細胞から分化した細胞ならTCR再構成で見えるバンドは1つ(または2つ?)のはずなので、こんなにいっぱいバンドが見えるのが何故かは私にはさっぱり判りません。』は完全に正しい推論です。胚盤胞に入れられる細胞はせいぜい20個でそのうちマウス組織になるのは数個なので、この方法で見れるバンドはせいぜい1本です。この2Nキメラの解析結果が不自然であることを理研の先生たちは理解しているからこの図をもって『キメラにTCR再構成がある』と言わないのだろうと思います。
こんな形而上学的な議論は実はたいした意味がなく、純化したT細胞から作ったSTAP細胞でキメラを作製するとか、4Nキメラで解析するとか、キメラの子孫でTCRの解析をするとか、不確実性を可能な限り排除した感度の高い方法で実験すれば何の問題もないはずです。現在丹羽先生が再現実験をされているそうなので次回ぜひこのような疑問点を解消していただければと思います。
ただ今回の議論で免疫学者は『もっぱらアラさがしをしてポジティブな面を評価しようとしない』傾向があることに自分でも気がつきました。厳密な論理性を要求する学問であるからか、免疫はなかなかとっつきにくく若い人に敬遠される理由がはからずもわかったような気がします。
なおTCRが単一の4Nキメラマウスでは免疫不全になるかもしれませんが、通常の動物実験室の環境でしたら生存できます。TCRトランスジェニックマウスと似たようなものです。"
吉村 より:
2014年3月22日 20:48
とも様
私も粗忽者で間違いが多く、とてもとても尊敬されるような立派な学者ではありません。仲間にはザルと言われています。ただ一応免疫学の専門家ですので学生や一般のかたに興味を持っていただけるチャンスと考えて解説をしているだけです。
ともさんの疑問についてですが、VDJ組み換えではDJが先行して起こりますので両方の染色体でDJ組み換えが起きます。
次にVDの組み換えが起きますが、対立遺伝子排除の機構は主にこの時期に働きます。つまりまずD1J1, D1J2, D2J2の組み換えのいずれか、あるいはD1J1とD2J2の両方の組み換えが両アレルで先に起こって、それからどちらかのアレルのVがDJとくっつく。ここで機能的なTCRβができればもう片方のVD組み替えは起こりません。これが対立遺伝子排除といわれる現象です。もし機能的なTCRβが出来なかった場合はもう片方の染色体でVDの組み換えが起きます。
ですので理論的な組み合わせは相当数ありますが、実験的にはD2J2のプライマーで検出されるGLをもつT細胞は10%程度ではないかと言われています。もし1個のT細胞がマウスになったとすると、可能性としてはGLもしくは組み換えの1本のみ、GLと組み換えの2本、組み換えの2本、あるいは全く検出できない、となります。よってバンドが見えるとすれば1つか2つでともさんの考えは正しいと思います。それぞれの可能性の確率がどれくらいなのかは原著をあたらないとちょっとわからないのですが、明らかにこの方法ではTCR再構成が起こっても全く検出できない不確実性がついてまわります。もしTCR再構成をT細胞由来の染色体のマーカーとして使うのであれば、さらに確実な方法で確認したほうがよいと思います。例えば汎用型のVDJでのPCRプライマーで検出する方法、サザンブロッテイングを行う方法、あるいはwholeゲノムシークエンスシングを行う方法、TCRβレパトア特異的抗体によってFACSで解析する方法などいくつか考えられます。いづれにしましても出発細胞を純化したT細胞やB細胞にすることでCD45+よりも検出感度が格段に上がるはずですのでぜひ再試験ではそうしていただければより確実だと思います。
- 2019/06/04(火) 13:48:39|
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さてさて、いよいよ査読流出の件以来我々の理解ではスピン屋さんであるはずの吉村教授のコメント理解へのチャレンジですね。登場人物たちはいったい何時になったら完全理解に達するのか。見ものです。
- 2019/06/04(火) 22:20:21|
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シャーロック・ホームズ氏が教科書を買ってきてお勉強をするとおっしゃってますが、何とか正解に近づけるのでしょうかね。心もとない。
- 2019/06/06(木) 06:37:28|
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